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Vol.2  <Battle  After  Game>
 コンフェデレーションカップ、日本の準優勝をあなたはどう見ただろう。残念なことに友人のY氏と私では見解が分かれてしまった。しかし、だからといって私が迎合するわけにはいかない。ここは私の考えを貫くしかないだろう。考え直せ、Y氏よ。

Y:「日本代表は腰抜けだ。チャレンジなくして勝利があるものか」
D:「そんなことないです。立派にチャレンジしてましたよ。だって相手はフランスだよ、ムッシュ。世界チャンプでありますよ」
Y:「準決勝まではよくやった。しかし、最後がよくない。フラット3に両サイドが下がって、さらに3ボランチ。キーパー入れて9人で守って1-0で負けるとはなんたるザマだ、へっぽこ野郎め」
D:「それじゃ何ですか、前がかりにさえ行けば攻撃できるとでも思ってたですか。まず守備から行かなきゃ攻撃チャンスはないでしょ、日本には」
Y:「負けても準優勝が約束されてる試合だよ。玉砕覚悟で5-1でもいいから得点して意地を見せて欲しかったね」
D:「オーマイガッ!玉砕。ジャパニは50年経っても成長しないね。それじゃコンフェデ以前に逆戻りでっせ」
Y:「あのなあ、フランス相手に戦うなんて、この先ワールドカップでベスト4にでも進まなきゃ実現しないチャンスなんだよ。失うものなんてないんだよ、決勝戦なんだから。なんでここで勝負しないんだよ、なんでチャレンジしないんだ、腰抜けめ!」
D:「チャレンジって、相手より1点でも多く取って勝つためのチャレンジですじゃろ。5-1じゃダメじゃん!」
Y:「相手より1点多くって、取れてないだろうが!だから下がることばかり考えずに攻撃体制つくれっての。トルシエもよ、ここ一番で機能しないよ。度胸ねえおっさんだよ」
D:「ノンノン、ちがうよ。得点するために相手を止めて、守備から攻撃に移れるような布陣を組んでるんですよ。まあ確かに得点までは至らなかったけど、だけどね」
Y:「得点できてないだろ。もう中盤なんかフランスの植民地だよ。やられ放題だよ、モロッコじゃねえってんだ日本の中盤は、べらぼーめ」
D:「ヘイヘイ!その発言は取り消して欲しいね。歴史問題はアンタッチャブルですがな」
Y:「お前が先に50年経っても成長しないとか言い出したんだろ。大体、何人なんだよ、お前はよ」
D:「中盤はね、フランスの方が巧くて早くて正確だったから。日本がショートパスをワンタッチで素早くつなぐのが得意なら、フランスは中距離のパス回しでそれをやれる。制圧されるのは仕方ないのことよ」
Y:「だったら少しは突破を試みるとか、相手のボールをガツガツ獲りに行くとか、やることあるだろ」
D:「わかんない人だね、この人は。わからんちんだね」
Y:「なんだその言い草は。このニセ外国人が!」
D:「ノー!それを言っちゃあお終いだよ、シャーラップ!」
Y:「うるせーよ、このカッパ野郎」
D:「ガッデム。頭きた、表に出やがれ!」
Y:「やんのか、こんちくしょう。上等だ、ごるああー!」
D:「がるるるるー!」

 事程左様に、フットボールに対しては100人いれば100人の思いが込められる。時に熱く論争することもあるだろうし、胸ぐらつかんでの狼藉罵倒が行われたってかまわないと私は思ってる。でもね、そういう手放しの議論ができるのは、お互いの心の奥深く、フットボールへの愛情がいっぱい詰まっているからなんだ。その愛情を軸にすれば、胸ぐらつかんだその手は、スタンドで交わす固い握手に変われるんじゃないかな。私とY氏の仲はその後どうなったかって?いやあ、今も険悪ですよ。ふっふっふ。
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